クリニークデュボワの美容聖心メンタル科は身体醜形障害、美容整形セカンドオピニオンなど外見・美容の悩みや生きる悩みなどにお応えする心療内科です。

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自傷・リストカット

自傷、リストカット

自殺を目的としてはいないものの、自身で自分の身体を傷つけることを「自傷」という。自傷行為は、摂食障害、物質乱用と同じく「故意に自分の健康を害する」症候群の3つの徴候の1つである。
自傷行為は子供時代の心理的虐待や性的虐待が遠因にあるとされ、解離性障害や離人症、自己愛パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害、無力妄想、統合失調症、うつ病、てんかんのもうろう状態など、様々な精神障害で起こり得る。その代表的な症状として「リストカット症候群」がある。自傷する理由は、「自分の辛さを分かって欲しい」のように周囲の人の関心を引くためではない。「イライラする気持ちを抑えたい」とか「つらい気分をスッキリさせるために」など、不快な感情をなんとか軽くしたいという目的が60%を占める。つまり、リストカットは、誰の助けも借りずに自分だけで辛さに耐え、苦痛を克服するための「孤独な対処法」といえる。
切ることで痛みを感じる人は10%位とされており、殆どは全く痛みを感じないという。自傷を繰り返す理由は、脳内麻薬物質エンケファリンが産生されることでリストカットに快感さえ覚えて依存しているのではないかという意見もある。

症状の特徴

自傷者に共通してみられる心理には、自己評価の低さが基底にあり、不安、抑うつ、無力感、実存感のなさ、見捨てられ感、愛情希求、注目願望などがみられる。自傷は、言葉で辛さを表現しない代わりに行動で表現するもので、摂食障害や物質依存 (時には身体醜形障害も)を伴うことも多く、登校拒否、家庭内暴力、万引き、薬物乱用、性的逸脱行動などと同じく衝動抑制障害によるものとされている。

  • 軽く手首を切る(リストカット)
  • 脚や身体を切る
  • 髪を引き抜く(抜毛癖)
  • 爪を抜く(抜爪癖)
  • 壁に激しく頭を打ちつける
  • 眼球や乳房をくりぬく

病気を引き起こす原因

なぜ、自傷行為をしてしまうのか?

大きな原因には幼少期に育った環境があると思われる。自傷した人と育った環境の関係を見ると、多くの研究では60%以上が幼少期に虐待された体験があり、またアルコール依存症の家族がいるなどの機能不全家族の中で育ったアダルトチルドレンも60%に及ぶといわれている。
しかし、最近では生育環境には問題のない「新世代の自傷」と呼ばれる自傷者も増えている。彼らは仲間やメディアの影響によって自傷行為に及ぶとも考えられている。

かつての精神医学では、自傷行為は対人関係や感情面の不安定さや衝動性から境界性パーソナリティ障害とほぼ同じような病のように扱われてきたが、その後の研究では境界性パーソナリティ障害の診断基準に当てはまる自傷者は半分に過ぎず、自傷行為自体が治療対象とみなされるという考えが主流となっている。
多くの研究者は自傷と解離性障害には密接な関係があるとしている。切る時には痛覚の鈍麻や、現実感の希薄化、離人感が生じ、切って現実に戻るという感覚には自傷行為が離人症に近い解離状態で行われていると考えられるからだ。解離の背景には許容範囲を超えた衝撃や恐怖の外傷体験があると推測される。自分ではコントロールできない強烈な苦痛や恐怖から自己を保護するために意識を遠ざけて自己防衛するのが解離性障害であり、「自分の実感が無くなる離人症」から「記憶までなくなる同一性障害」まで連続的なスペクトラムとして理解されている。

自傷行為を繰り返す常習者は、忌まわしい過去や思い出したくない記憶に取りつかれた時に解離状態となり、そこから現実へ回復する方法として自傷行為が習慣化したと考えられる。追いつめられた状況から逃げるために自身を傷つけ、自分の存在を確認するために切り、出血を見て生きていることを実感し、安心するのだといえる。
また、自傷する人は自分の生きる苦しさを理解して欲しいという承認要求もあり、親や親に替わる人に変わらない愛を求める愛情希求という感情が根底にあると考えられる。

接し方のコツ

自傷行為は、自殺を図ることを目的にしているわけではないが、誰かの真似をするとか、関心を引くための演技的・操作的な行動ではない。なんらかの苦痛があるのに、自分なりにうまく言葉にできず、分かってもらえないという辛い状況の中で起こす行動であるということを理解しなければならない。そして、何も支援をしないでいると、自殺に追い込みかねないということも認識して対応することが重要である。

接し方としては、頭ごなしに「自傷は止めなさい」と言わないようにする。強圧的な態度は、本人の「分かってもらえないという苦しさ」をさらに増幅させてしまい、自傷衝動を増長しかねない。援助を求めながらも、本人はそれなりに「自分自信でなんとか克服したい」と思っていることを理解して共感することが大切である。理解と共感は苦しみの軽減に繋がり、「自傷行為がエスカレートする」ことを大変心配していると愛情ある気持ちを伝えることが安心感を与える。
「もうしないと約束してね」のように無意味な約束を強要するのは、逆効果になる可能性が高い。このような約束は、親や援助者が自分たちの不安を解消するために言っているに過ぎないと受け取られてしまうからである。

治療について

マインドフルネスレジリエンス療法とレジリエント生活・食事療法によってこころの治療を行い、傷跡の治療には傷跡に最も適した形成外科的な治療(レザー治療や形成外科的手術)の専門施設を紹介する。 当クリニックでは、リストカットをさせない、残った傷跡をきれいにするという両方向からの治療を進めることで、健康な社会生活への早期復帰を目指していく。