美容整心メンタル科では、「身体醜形障害」、「美容整形のセカンドオピニオン、依存」など心の在り方と外見の悩みの関連性を考える精神美容形成外科と「思春期失調症候群、生きづらさに苦しむ悩み」などを解決する美容整心精神科を対面・遠隔診療で行います。

千代田区内幸町の精神美容形成外科・整心精神科・美容精神科

美容整心メンタルこころの研究室

マインドフルネスレジリエンス強化療法Mindfulness Based Resilience Strengthen Therapy(MBRST)

かつての精神分析療法は、患者に、「精神分析は長い時間と費用をかけたが、傷ついた心の状態を説明するばかりで何もしてくれなかった。転んでいる自分を起こしてさえくれなかった」と言わしめている。
認知療法では患者の不正確な認知、信念体系や思考に取り組み、患者が出来るだけ早く普通の状態に戻れるような考え方の変容を身に着けるまでは教える。つまり、傷ついて動けなくなっている病人が起き上がる方法までに重点がおかれている。
ペン・レジリエンシー・プログラム(PRP)では、その先の段階の、病人が立ち上がり、目標を定めて歩き出し、果敢に挑戦する気力を導くスキルを教えている。

レジリエンスは、精神医学では一般的には「坑病力」と訳されているが、語源的には物性の弾性力を意味することから、ある圧力に対してどれくらい跳ね返す力があるかを意味し、心理学的には同じストレス(逆境)に対してどれくらい耐え、跳ね返す力があるかの意味となるため「逆境力」とした方が分かりやすいと思う。
人の身体には体調を一定の健康状態に維持するために常にバランスを取る「恒常性・homeostasis・ホメオスターシス」という機能があるとされ、自律神経系、内分泌代謝系に加え免疫系が主となって役割を果たすが、レジリエンスは心の健康状態を常に一定に保つ機能とも言え、私は「こころの免疫力』と言っても良いのではないかと思っている。
マインドフルネスは、古代仏教に端を発する瞑想法で、今のこの一瞬に注意を集中させることで、過去の失敗からくる悔い、憂いやこの先の将来を案じて生じる不安になる気持ちを忘れ、雑念の中心にいる自分を解放させてくれるスキルである。またマインドフルネスはレジリエンス機能を高めることでネガティブ思考をポジティブ思考に導くことが、最新の脳科学の研究で明らかになってきている。
私は、マインドフルネスのスキルをベースにして、PRPの「物事に対する考え方、解釈の仕方」を変えることでレジリエンスが強化されポジティブ志向に生きていけるようにする精神心理療法として『マインドフルネスレジリエンス強化療法Mindfulness Based Resilience Strengthen Therapy ;MBRST』を考案した。
認知(行動)療法が認知の転換をする(考え方、解釈の仕方、思考のスタイルを変える)ことで思考をマイナスからゼロになるように目盛を動かすように介入する心理療法と言えるのに対し、MBRSTはPRPとマインドフルネスのスキルを組み立てて、思考の目盛をゼロからプラスに動かし、未来への働きかけを目指す心理療法を言い、身体醜形障害、パーソナリティ障害、不安症、身体表現性障害など心因性の神経症圏の病気の治療を行っている。

私たちは日常的に潜在意識下に過去を悔やみ憂う気持ちと、将来を心配し不安に思う考えを持ちながら生きている。つまり私たちは常に、自分と、自分の思考と現実(周囲の出来事)が混在する状況に置かれており、現実は、それらの混在した中での自分の思考を通してでしか、見たり理解することが出来ない(認知的コンフュージョンという)。従って私たちは逆境、ストレスに直面する時、その現実を『今ここ』のリアルな事実として、あるがままに見る事が出来ないのであり、常に過去と未来の混沌としたネガティブ思考を通してでしか現実を見ることが出来ず、自動思考的にヒューリスチックにネガティブな思考に陥ってしまうのである。つまり現実のリアルな事実と「自分の頭の中で考えている現実」とは別物であり、リアルな現実の事実を見るには、自分を取り囲む混沌とした雑念思考を取り払うか、あるいはそれらの思考に取り囲まれた自分をその場から脱出させ(脱中心化という)、少し離れた所から観客の目で見るしかないのである。
マインドフルネスはその『今、この一瞬の』の本当の現実に気付くために、自動思考に影響を与える潜在意識下にある過去と未来から来るネガティブな雑念思考を排除するためか、あるいは脱中心化を図るためのスキルとして位置づけられるのである。
MBRSTでは、まずPRPのABC分析で、現在の自分の思考の仕方のパターンを知り、それが根底思考や思考のワナで歪められたネガティブなヒューリスックな自動思考であることを知り、それらの歪んだバイアスが取れた本来の歪曲されていない自分のポジティブな考え方(リアルタイムレジリエンス)を体得する。しかしながらこの段階では、従来の習性となったネガティブ思考が自動思考として浮かびがちであるから、ここでマインドフルネスで身に着けた今の一瞬に集中して脱中心化するスキルで、いわば思考停止(エポケー)の一瞬の間を作り、新しく認識したポジティブ思考、リアルタイムレジリエンスに移行させるのである。

頭の中ではあるべき新しい考え方に気付いていても、そのままでは、すぐにまた自動操縦的にマインドレスなネガティブな思考に戻ってしまうので、マインドフルネスのスキルでABC分析で獲得したポジティブな思考の仕方に瞬時に移行できるようにすることで、今までのネガティブな考え方の結果として生まれるネガティブな感情や行動から脱却し、ポジティブな感情と行動に導くのがマインドフルネスレジリエンス強化療法なのである。

マインドフルネス・レジリエンス強化療法(MBRST)の実際

7つのステップから成り立っているが、大きくは「自己発見スキル」と「自己変革スキル」「マインドフルネスの実践スキル」のステップに分けられる。

<自己発見スキル>

①ABC分析をするスキル、②思考のワナを避けるスキル,③氷山思考を見つけるスキル

まず自分がストレス、試練、逆境に会った時に、どのような思考の仕方をしてどのような感情・行動の結果をもたらしているか、また、その思考の原因となる文脈をどのように説明しているか、などの自分の思考のパターンを知る「自己発見のスキル」を学ぶ。
次に自分の思考パターンの中で思考のワナや根底思考などによる思い込みでレジリエンスを弱めているところを発見し、レジリエンスが強化できるような思考の仕方に変革する方法を学ぶ。

<自己変革スキル>

④思い込みに挑むスキル⑤大局的にとらえるスキル

正しい適切な思考の仕方を見つけ、ネガティブ思考をポジティブ思考に変えていく。そして見つけた適切な思考のスタイルを実践することで、人生に目標を持って、それに果敢に挑戦していくような人生観の獲得を目指す。

<心を静めてフォーカシングするスキル、マインドフルネス>
マインドフルネスはマインドフルネス・レジリエンス強化療法の有力な補助手段であり、過度のストレスで自分を見失いそうな時に平静さを取り戻す緊急の手段にもなる。
MBRSTで用いるマインドフルネスは、衝動性制御、感情調整力、意識集中力を高め、レジリエンスを強化する目的で呼吸マインドフルネス瞑想を行う。
呼吸に意識を集中・持続させることで「思考と現実と自己の混同」から抜け出し、自分の経験に対して観客の視点(脱中心化)を持つことで思考の思い込みからの脱却をはかる。思考や感情を事実の反映したものではなく、心の中に生じた一つの出来事に過ぎないと、あるがままを受け入れることの大切さに気付き、そのような視点を常に持てるようにする。

逆境に際して、『あ、やはりまた「自分はダメな人間だ」という考えが頭をよぎった時、「又、過去の色々な、ネガティブな記憶が出てきているな』と一歩引いて客観的に眺められるようになると『こういう時に自分がネガティブになってしまうのも仕方ないな』と自分の状況に平静に構えられるようになる、というわけである。

「先のこと・過去のこと・何処かのこと」にこころを奪われた状態が当たり前になると、憂いと不安で脳の活動は常時活発になり疲労困憊し(デフォルトモードの脳の活動レベルが上がる)、人間は「今・ここ」に意識を向けることが難しくなる。しっかりと脳を休息させることと、意識の『今・ここ』にいる状態を体得することは共時的な関係にあり、マインドフルネス呼吸法はその状態を会得するために行う。

⑤リアルタイム・レジリエンス

心を静めてフォーカシングするスキル(呼吸マインドフルネス)はストレッサ―に会い自分のコントロールを失いかけた時に、即時的にコントロールを回復するスキルであるが、ストレスの原因や感情の洪水を引き起こすような思考に挑むものではない。
非生産的な思考が現れた瞬間に、その思い込みに挑み抑え込む思考を生む力をリアルタイムレジリエンスという。リアルタイムレジリエンスでは、最もありそうな結果を一つと、それに対処するために出来る行動を一つ見つけ出すことである。

マインドフルネスで自分を外から見ることが出来るようになると(脱中心化)、自分に対する気づきが生じ、逆境に際し自分に平静さを取り戻すことが出来るので、自動思考的な非生産的なネガティブ思考を一時的に追い払うことが出来るが、そのままではすぐに自動思考に戻ってしまう。しかし、その間にリアルタイムレジリエンスで得られた正確でポジティブな未来に働きかける思考を持っていれば、それを防ぐことが出来る。

注)MBRSTの詳細は、美容整心メンタルAIF研究室の中の「レジリエンンス心理学①~⑬」に記載されています