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再び自律統合性(機能)Autonomous Integrity(Function:AIF)について-その1

量子論は、古典物理学が示した、ラプラスの悪魔に象徴される因果論、決定論が物質的世界では成立しないことを示した。
? 分子生物学(免疫学)は、生物の自己を決定づける免疫の仕組みは、造血幹細胞から未熟リンパ球を経て、B細胞、T細胞が生成される過程が全くの偶然性に依ることを示し、またB細胞T細胞の抗体、受容体タンパクがDNAの切り貼りという、これも偶然性による遺伝子の再編成によって作られることを明らかにした。(利根川進1983)。
? また脳科学は、脳ができる時に、1つ1つの脳細胞がお互いどのように結合するか、どの脳細胞がどの脳細胞と結合できるのか、どの脳細胞が結合出来ずに死んでしまうのかは全くの偶然によって決まることを明らかにした。

つまり、身体的「自己」を決めるT細胞と、精神的「自己」を決める脳細胞が、同じような偶然性に依拠するアポトーシスの仕組みで出来ているのである

 現代の科学は生命、精神、物質の森羅万象が偶然の結果でしかないことを教えるが、しかし、原子核と電子の構造決定の巧みさから、フィナボッチ数列、黄金比、フラクタル現象などの神の技としか思えない自然のデザイン性や、バイオミミクリーが教える超越的な自然現象の合理経済性などを見ると、何か超越的な存在による差配を信じざるを得ない。
 私は、精神には自我のシステムを超越したメタシステムとしての領域(霊性spirituality)があるとし、
 また、有機物から無機物まで、すべての物質の世界(生命、身体、社会、自然、宇宙)にはその営みの規範となり、調整を図る規律、根元的原理があるとした。
 その霊性と根源的原理は連続して、個の内的世界から宇宙全体の中心軸をなしており、私はそれを自律統合性Autonomous Integrityとし,その機能的役割を自律統合性機能Auotnomous? Integrity? Function:AIFとした。(「人の存在と心の構造モデル」2013.03.11)

AIFの位置づけ

AIFの位置づけ

AIFは人においては、「神経系」、「内分泌系」、「免疫系」に「心(精神活動)」を加えた4者が相互に関連しあいながら、心身一体のバランスをとり、健康を維持する働きである。これは生体(生物学的)においては、既に恒常性ホメオスターシスとして言われているものが相当する。
 AIFの作用は、「全体が部分の総和としては理解できない」非線形的現象であり、つまり、各要素が働いて全体としての作用が生ずるというより、全体の目的性を持った働きが先行的にあり、それに合わせて各要素が働くというような、ユングの言う非因果的連結原理、パウリの言う排他原理に伴う、すなわちシンクロニシティ(非因果的同時生起)で作用、機能するものと想像している。各要素は相互に影響しあい、それが結果に変化を与え、その結果が再び要素に影響を与え返し、変化した要素は相互に影響しあって、再び結果に影響を及ぼすという連鎖を繰り返していく複雑系のシステムとなっていると思われる。

 表現を変えれば、各種の神経伝達物質、ホルモン、サイトカインを各構成員とした平均場モデルを考えると、各構成員の総和が平均場モデルを作りあげ、その平均場モデルの振る舞いが各構成員の振る舞いを決定するという「個と場のフィードバック」の関係と見ることも出来る。

 これはリズム(ミクロリズム)が多数寄り集まれば、大きなリズム(マクロリズム)にまとめ上げようとする自然の力による集団のリズム現象,同期現象でもあり、これは、心身が身体波(物質波)と精神波の波動性を持つとする私の仮説(「精神波」心は波動である??2014.04.08.)を裏づけるものとなっている。

 心身の健康状態は、身体波、精神波のリズム振動が共振し正調に作動していることを意味し、そのリズム振動を指揮するのがAIFであり、AIFが機能不全状態になると、リズム振動が乱れ失調し、健康を失い、やがて病的状態に至る。

 AIFは生物学的には恒常性homeostasisとして働くが、精神的には、個別の状況での機能的な役割を総合してみると、最近の精神医学でいう「レジリアンスresilience」に相当する働きを持っていると考えられる。

 レジリアンスとは、ストレスに抗する強さ、並びにストレスの障害からの立ち直り易さをいい、「ストレスや病気に対するしなやかさ」を意味するが、精神科学では「坑病性」とも言われている。

 ストレスに対する生体反応や恒常性については、身体医学に既に詳しいので、ここでは「心の状態」とAIFの関係について述べる。

 最も、「身体」と「心」を切り離して考えることは出来ず、「こころ」は、身体と相互に影響しあいながらAIFの作用を受けるというのが前提ではあるが。

フロイトのこころの局所論、(‐意識、前意識、無意識 )心の構造論?(エス、自我、超自我)、では自我は意識に、エスは無意識にと存在場所が固定されているわけではなく、自我は意識から無意識まで動き回るし、エスも無意識から意識までを動き回るとされる。したがって、それらの動きをコントロールする何らかの機能が必要となる。例えば、エスは超自我の牽制を受け、自我の防衛機制の一つに出会い影響を受け、また別の機制で調整される。そのように心の全体機能を総合的に働かせ、自我をコントロールする機能が自律統合性機能AIFにあると考える。

自律統合性機能と心の各領域のかかわりについては次回説明する予定である。

「精神、心」も神経系、内分泌系、免疫系の影響を受けるが、免疫系が最も関連性が深い。「うつ」をはじめ、心に障害があると免疫力が落ちるとする、多くの動物実験報告、臨床報告があるし、免疫力が落ちるとこころの障害を招きやすいとする動物実験、臨床報告もある。

心は、とりわけ免疫と強い関連がある。

 ところで、自律統合性機能AIF は、すべてを、常に、より良い方向、最善の方向を目指してコントロールし導くように働くのであろうか?そうだとすれば、AIFは再び、万物を古典物理学の決定論、因果律に戻す存在となるのか?との疑念が生じるかも知れないが、自律統合性の概念は、元々、量子論で精神を見ようとする所から始まったものであり、量子論の、その範囲内で整合性が得られなくてはならないと考えている。

 「真、善、美」や正義、道徳などの意味、価値の判断は「霊性」の領域であり、AIFはそれらを判断できる精神身体的状況の調整はするが、判断内容自体までは立ち入らない。
霊性領域での判断決定は、あくまで個人の内的体験により、非線形的に決められるべきものであると考えている。