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レジリエンス心理学⑬―スキルⅦ.リアルタイム・レジリエンス

スキルⅦ.リアルタイム・レジリエンス
スキル6の「心を静めてフォーカシングする」スキルはストレッサーに会い自分のコントロールを失いかけた時に、コントロールを回復する速効性とポータビリティには優れているが、ストレスの原因になったり、仕事に侵入して来たり、感情の洪水を引き起こすような思考に挑むものではない。その場をやり過ごさせてくれるが、思考が再び現れるのを防いではくれない。
リアルタイム・レジリエンスは非生産的な思考が現れた瞬間にその思い込みに挑むものだ。このスキルは速効性もあるし、非生産的思考の出現を量的にも質的にも抑え込む力がある。リアルタイム・レジリエンスはフォーカシング・テクニックの必要場面で使えるし、より強力で、感情が強くなり過ぎて圧倒される恐れのある時に有効である。

リアルタイム・レジリエンスはスキル4の「思い込みに挑む」スキルとスキル5の「大局的にとらえる」スキルの鍵となる要素が組み込まれていて、それらのスキルのレベルに依存するため、それらのスキルを磨くほどリアルタイム・レジリエンスのスキルも高まって行く。

スキル4,5は複雑で現在進行中の逆境の中ですでに起きてしまったことを深く理解させ対処するために使われるが、リアルタイム・レジリエンスは逆境が起きた最初の瞬間に使われる。非生産的思考が浮かぶ度にリアルタイムレジリエンス反応で反論するのだが、それはネガティブな思考をポジティブな思考に変えるものではなく、レジリエントでない思考、非生産的な思考を追い払えるだけの正確で力強い思考に変化させることが使命である。

リアルタイム・レジリエンスのつかい方

「リアルタイム・レジリエンス」を習得するに当って、思考への反論を組み立てるのに役に立つ3つの決め言葉がある。

1)代替思考<もっと正確な見方をすると……>

「思い込みに挑む」スキルでは、多様な代替思考を用意して、習慣化している説明スタイルから抜け出すことが目標であったが、リアルタイム・レジリエンスでは、最初に浮かんだ思考よりも状況を正確に説明する方法を一つだけ見つけることを目標にする。そこでは <もっと正確な見方をすると....>と言う文句が思考の組み立てに有益になる。

2)証拠 <それは正しくない。なぜなら….>

証拠を使って思考の正確さをチェックする。自分の思考に集中し、確証バイアスに打ち勝つために<それは正しくない。なぜなら.....>という文句で反論することが有益である。目標は出来る限り具体的でかつ詳細になることだ。具体的であるほど反論の有効性は増していく。

3)結果の予測 <もっとありそうな結果は……そして私はその結果に対処するために….することが出来る>

スキル5「大局的にとらえる」スキルでは、まず「最悪のケース」思考をリストアップし、次に「最高のケース」の結果をリストアップし、最後に「もっともありそうな結果」を特定し、その結果に対処する方法を計画するものであった。
リアルタイム・レジリエンスでは、最もありそうな結果を一つと、それに対処するために出来る行動を一つ見つけ出すということだ。そのためには<もっともありそうな結果は……で、それなら私は......をすることが出来る>という言葉が効果的になる。

A.リアルタイムレジリエンスを練習するときに陥りやすい4つのミス

このスキルを初めて学ぶとき、多くの人はある体系的なミスを犯す。それが正しく修正されなければ、何一つ問題はないという錯覚が起きて、気にかけねばならない問題をすべて認めないということに繋がってしまうが、この良くある落とし穴について注意を喚起し修正法を学べば、レジリエンスの劇的な変化がもたらされる。このスキルを言うどのように使うかを正しく知ることが不可欠なのである。

ミス1:ポリアンナの楽観主義

最も良く見られる初心者のエラーの一つは、ポリアンナの楽観主義のワナに陥ることで、悲観的思考を非現実的な楽観的思考に置き換えてしまうというものだ。リアルタイムレジリエンスは正確さを目指しているのであって、楽観主義を目指しているのではないということを常に気に留めておかねばならない。楽観的であっても、状況の事実とは合致した反論を作りあげなければならない。

ミス2:ほんのわずかな事実の見落とし

もう一つの典型的な見落としの一つは、非生産的思考の中にあるほんの僅かな事実を見落とし切り捨ててしまうことだ。レジリエントでないティッカーテープ思考にはよく誇張が含まれているが、誇張の下にほんの少しの事実が隠れていることがある。思考に反論するときに、その事実を認識できていないと、反論は信憑性に欠け、思考が再び現れてしまうものだ

ミス3:責任のなすり合い

責任のなすり合いは、個人化、外面化の思考のワナにはまる人が陥りやすいミスで、「僅かな事実の見落とし」に含まれるものだ。ネガティブな思考に対する反論では、単純に責任のありかを自分から相手に、相手から自分に移し替えるだけでは状況をコントロールする助けにはならないものだ。

ミス4:過少評価

「大局的にとらえる」スキルを正しく使うとき、よりあり得そうな結果と、その結果に対処するために出来るレジリエントな行動を少なくとも一つ特定することになるが、ここでやってはいけないことは、単純に状況の重要性を過小評価してしまうことだ。状況の重要性を軽視していないかどうか、そして最悪の結果を、同じように起こりえない最高の結果と置き換えていないか、チェックしてみよう。リアルタイム・レジリエンスはあくまでも、最もあり得そうなシナリオを特定し、それに立ち向かうためにエネルギーを節約することが目的である。

B.日常生活においてリアルタイムレジリエンスを使う際のアドバイス

リアルタイム・レジリエンスの上達のために役に立つヒントを示す。

*まずはスキル4と5を先に練習する:そして(スキル7)リアルタイム・レジリエンスを効果的に使うためには、代替思考が作れること、効率よく証拠をまとめられること、よりあり得そうな結果を正確に特定出来なければならないから、スキル4とスキル5に習熟するまではスキル7は使わないほうがよい。
*短い決め言葉を使う:慣れるまでは思考に対する反論は短い決め言葉を使うようにする。
*詳細かつ具体的に:自分を納得させるには、具体性の高いたった一つの証拠の方がはるかに有効だ。
*一番効果のあった決め言葉を使う:3つの決め言葉を試してみて、最も効果のあったもので続けるようにする。
*ミスがないかチェックする:反論した後に少し立ち止まり、ミスがないかチェックしよう。
*スピードの有効性:最初に生じるレジリエントでない思考と同じくらいのスピードで反論できることが望ましい。
*毎日練習する:このスキルのマスターには練習がいる。逆境の瞬間にスキルを使うよう毎日練習をしよう。その瞬間が捉えられなければ、ネガティブな考えを作ってみて、それに反論する練習をする。

C.速効性がいつも優れているとは限らないことを覚えておこう

スキル6と7が使いこなせるようになると、他のスキルは使わずにこの2つばかりに頼るようになりがちだ。
非生産的思考のせいで、目の前の課題にフォーカシング出来ないとき、感情が強いくなり過ぎて理路整然と考えるのが不可能な時、経験するストレス量が多すぎて圧倒されてしまう時は速効型スキルを使うのは理にかなっているが、日常的に直面する問題の殆どは即時的な反応を必要としないことが大半で綿密かつ思慮深い分析と解決策と計画性が必要とすることが多い。
もしスキル6と7ばかりを使うようになっていたら、何か避けていることはないか、重要な情報を見落としていないか、自分に問いかけることが必要である。レジリエンスは時に素早いアクションが必要になるが大概の場合はそうではないのである。

まとめ
*リアルタイム・レジリエンスは、非生産的思考が生じた瞬間に思い込みに挑んで正確な思考をし、効果的な解決策を講じるためのスキルである。
*速効スキルは万能ではない。人生で出くわす逆境の殆どはスキル1~5を使って時間を掛けて解決へと導くことが必要である。