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クリニークデュボワの心療内科・美容精神科・形成外科
美容整心メンタルこころの研究室

レジリエンス心理学⑦B―スキル1ABC分析

⑦Aの続き
D.B(思考)-C(結果)の組み合わせ(B-Cつながり)
感情や行動が決定される上で、思考が大変重要な役割を果たすが、その思考は分類することが出来る。そしてその名前を付けた思考に対してどのような感情や行動が伴うか予測する事も出来る。これを「B(思考)-C(結果)つながり」 と呼んでおり,両者はいつも組になっている。結果は殆どネガティブである。私達が生きていく上でポジティブ感情は重要だが、レジリエンスにおいて重要なのは、一般にネガティブな感情につながる逆境にどのように対処するかである。

■B(思考)-C(結果)つながり

思考                   結果
__________________________    __________________________
自分に対する権利の侵害         怒り
現実世界の喪失、または自尊心の喪失   悲しみ、落ち込み
他人に対する権利の侵害         罪悪感
未来への脅威              不安、恐れ
他人とのネガティブな比較        困惑

E.自分に対する権利侵害は怒りに繋がる
怒りの感情の仲間には、不快感、苛立ち、辛辣さ、憤慨、激怒、憤怒などがあるが、怒りの引き金になるものは「自尊心に対する侮辱が、傷つけられ、自分の権利が侵害されたと感じる」ことが原因になると、ドルフ・ジルマンは言っている。
怒りに先立つティッカーテープ思考は「なぜのことが私に起きたのか?」の「なぜ」思考であり、その結果が怒りの感情になっている。
あなたが「なぜ」タイプの人間なら、あなたは人生において多くの怒りを経験する可能性が高い。
すぐに怒り、衝動をコントロールする能力の低い人は自分の人生や周りの人の人生をめちゃめちゃにする。
怒りと悲しさは、青色と緑が基本色であるように基本感情である。

F.現実世界の喪失や自尊心の喪失は、悲しみと抑うつに繋がる
生存の観点から見た時の悲しみの価値は何か?進化心理学者は、悲しみの機能は、愛する人の死など、見捨てられることに対する適応力を促進することという。内省と退行は喪失の中で意味を探究し、将来に対する計画を立てる機会を与えると考えられている。悲しみは不快な感情であり、人生における誤りを改善するように促すことで、その過程において悲しみは減る。
「大切なことは、「わたしのティッカーテープ思考の本質は何か?」「自分は喪失感に集約されるタイプの人間かどうか?」「すべてを自分のせいにして自分を責めてしまう傾向があるだろうか?」
「なぜ?」に向きがちな人や、問題の内的要因に意識を向ける人は、何かものごとが上手く行かなくなったときには悲しみや抑うつを感じる可能性が高い。抑うつほどレジリアンスを瞬時に蝕むものは無い。

G.他人に対する権利侵害は罪悪感に繋がる
最も一般的なネガティブ感情は「罪悪感」である。自己調整に反する行為やコミットメントを破る行為が罪悪感を引き出す。
罪悪感は内的ブレーキとして働き自分を立ち止まらせ自分にコントロール感を取り戻す機会を与える。
ただ罪なことを考えるだけで(罪悪感の予期)不快感があるので自制する。
罪悪感は「悲しみ」や「羞恥心」に連動する。罪悪感は修復を促進するし、実際、罪悪感の強い人は人間関係で適応力が高い。羞恥心の無い罪悪感は人間関係では共感的であるが、羞恥心の強い人は共感的になりにくく、怒りっぽく、敵対的で自分の怒りのコントロールが下手で、抑うつに陥りやすく、無力感を感じやすい。羞恥心に伴う無力感は自己コントロールや謝罪の念を促すのではなく、逃避して自分自身を消し去ろうとする。これが羞恥心が有害である理由である。

H.未来の恐怖が不安と怖れをもたらす
不安の中心的な機能は実の所人の考え方、特に脅威や危険に対する考え方である。不安を感じやすい人は「次は何」思考に陥る傾向がある。「なぜ」思考の人は振り返り原因を考察する。「次は何」思考の人は前を見て、不安を感じた場合は危険が差し迫っていると感じる。不安を引き起こす「次は何」思考に気付くことを学ぶことが出来る。

不安は過度に不注意な行動に対するチェック機能として働く。いくらかの不安は生存のために価値があるが、不安が強すぎると順調な生活の妨げになる。習慣的に「大参事」思考をしていると無駄な心配にエネルギーを浪費しレジリエンスの妨げになり健康に影響が出てくる。

I.自分と他人をネガティブに比較することが羞恥心を引き起こす
モディリアーニは羞恥心は自尊心の急速な喪失であり、行動が他人に見られ、ネガティブに評価されたという自覚によって引き起こされる。羞恥心には他人の目が伴うとしたが、他の研究者は、その人個人の基準に一致しない行動をした時にも羞恥心は起こりうることを示した。個人的な基準は多様性があるから、ある人には羞恥心を感じるような出来事でも、ある人には何でもないこ堵で済む。他人がいなくとも羞恥心は感じるが、他人の目があればさらに増大する。羞恥心を感じる瞬間のティッカーテープ思考では、大体決まって他人への言及が含まれる。多くは、大切な人の前で面目を失うという不安を中心に成り立っている。

J.どのようにB-Cつながりを使うか
B-Cつながりの知識は自己認識の基礎である。あなたのティッカーテープ思考に耳を傾けることで、どの感情と行動が伴うか理解できるし、予測だってできる。B-Cつながりには二つの重要な用途がある。自分のプッシュボタンを刺激する逆境に直面した時、ある特定の感情にとらわれてしまう原因となる考え方を見つけたり、自分の反応の仕方に対する理解を深めたり、最もストレスフルな状況でも、自分の方向を見失わないにすることである。

あなたの感情をほぐす
私たちの感情はいつも単一であるわけではないが、時折めまいがするほどごちゃまぜになることがある。そういう時はイライラし落ち着きを失うので、自分の感情をほぐす必要がある。自分の思考のプロセスを明確にすることで感情を認識しコントロールするようにする。
B-Cつながりのワークに取り組むことで、長い時間を悩んだりすること、周囲に不適切なやり方で反応してしまうことが避けられる。

あなたを捉えた思考を特定してみよう
B-Cつながりは人間が自分の世界を理解し、適切に反応する手助けをするために発達したのだが、時折バイアスが特定の思考に偏らせることがある。そのような人はクッキーの抜型のようにすべての多義的な状況を同じ型にくり抜いてしまう。自分の人生で起きている良い出来事、や悪い出来事をどのように解釈するかについてのバイアスを持っていると誤って解釈してしまい、無駄なエネルギーを消耗し自分のレジリエンスを弱めることになる。
B-C繋がりで、思考を特定化するもう一つのものは幼児期の経験によるものだろうが自分が傷つくかも知れないものを探すために世界をくまなくチェックする癖である。そのような人は探知機を持って、多くの時間を特定の感情に支配される。「未来の脅威」探知機では多くの時間を不安のうちに過ごすし、「権利侵害」探知機を持つ人は自分の人生を怒りの中で過ごすことになる。

K.感情記録を付けて、自分が行き詰ったら調べてみよう
自分の人生の感情的側面を制限してしまっている思考パターンを見つけることで、特定の感情に陥らないようにしてレジリエンスを高めることが出来る。
まず、強い感情を感じたり、突然感情が変わるような体験をした時に記録をつけてみて、1週間の終わりに自分が体験した感情を、怒り、悲しみ、罪悪感、不安、羞恥心のグループに分類して、特定のグループに凝集していないかチェックする。一つに過度に集中していれば、自分の思考スタイルにバイアスがかかっており、5つの思考スタイルのうちの一つに過度に意識を集中させている傾向がある。特にあなたが「プッシュボタンの逆境が引き起こす感情に注意を払ってみよう。その時が、もっともレジリエンスが必要な状況を示している時である。
人は、プッシュボタンの逆境に遭遇することが比較的少ない時は人生の感情的側面が広がり、多様性に富むものになるが、ストレスの多い状況に直面した時には、感情的側面が一つの感情に支配されていることに気づく。

L.あなた自身の人生におけるABCの使い方
逆境に対する自分の反応が混乱している時、また反応が非生産的であるときは、いつでもABC分析スキルで自己発見しよう。
ABCの目標は、あなたの経験をA,B-Cに分けて説明することである。ある出来事に対する自分の考えと、そのできごとの事実を区別してから、これらの事実と出来事に対する自分の反応を区別してみるまでは、それが出来なければ、自分の非生産的な思考を変えるワークに入ることは出来ない。自分の思考を吟味するには、AとB-Cを区分できなければならない。

M.「自分のABCを知るワークシート」に記載してみよう。
最初はA(逆境)を説明する。説明は自分の解釈がバイアスとして入らないよう客観的に書けるよう練習をする。何時、誰が、どこで、何をに焦点を絞って書く。
次は、自分のC(結果)を特定する。できごとが展開するにつれて、あなたは何を感じ、どのような反応、行動をとったか、感情と行動の両面を特定して、感情の強度にも注目する。
AからCに飛びBを省略する理由は、現実の世界の流れを経験するのはほとんどの場合がこのようなやり方によるからだ。出来事が起きる。そして、それに対する自分の感情や反応に気付くのだが、それは自分に対して何を言ったか(自分のB、つまり思考)に気付く前に気づくものだ。
三番目は、AとCを繋ぐメンタルについてだ。AをCに繋げる思考について理解することだ。このような感情や行動が引き起こされたとは、「私は何を考えていたのだろうか?」について理解し記載する。ここで大事なことは、実際に考えていた思考を特定することであり、もっと好ましい思考へと転換することではないということだ。
記載したら、B-Cつながりのどれに相当するかチェックしてみて、当てはまるものがなければ、あなたの思考がはっきり特定できていない証拠である。もう一度やり直してみよう。

■自分のABCを知るワークシート

1.自分にとって困難なできごとや逆境(A)を客観的に(誰が、何が、いつ、どこで)説明して、ここに書き留めてみよう。
2.結果を特定し(逆境における自分の感情と行動)、C欄に書き留める。
3.逆境における自分のティッカーテープ思考を特定し、B欄に書き留める(くれぐれも検閲しないこと!)。
4.必ず、それぞれの結果(C)に対して思考(B)を特定すると同時に、それぞれの思考(B)に対して結果(C)を特定すること。

*ティッカーテープ思考とは:あなたの頭の中をさっとよぎる思考のことで、ときに意識外で起きる。逆境や試練、または新たな経験の最中で、あなたの感じ方や行動のし方を決定するもの。

<例>
A:「著作権を侵害して私たちの資料をばらまいている疑いのあるクライアントにどうアプローチすべきかをめぐり、上司と私との間で意見の衝突があった。私はそのクライアントに直に電話したかったが、上司は私がまず手紙を送るべきだと考えている」

B:ティッカーテープ思考         C:結果(感情と行動)
__________________________    __________________________
上司は私が電話で攻撃的になりすぎ、   私はとてもイライラする。上司を怒ら
事態をさらに悪化させると思ってい    せるようなことを言ってしまった
る。また、私がきちんと冷静に対処
するとは絶対に信じてくれず、いつ
も私の立場をないがしろにする。
__________________________    __________________________
私たちが間違っていたとしたらどうだ   私は不安を感じる。結論を先延ばして
ろうか?クライアントはものすごく腹   しまった。
を立てるだろうし、私たちに対して騒
ぎを起こすかもしれない。
__________________________    __________________________

<ワークシート>
A:

B:                   C:
__________________________    __________________________

__________________________    __________________________

__________________________    __________________________

__________________________    __________________________

次に自分のABC分析に現れるパターンを特定してみよう。あなたのティッカーテープ思考には特定のテーマがあるか?「なぜ」思考」か「次は何思考]か?権利侵害、喪失、他者との比較など、ある特定の種類の思考が優位であることに気づくであろうか?
その場合はレジリエンスが弱いことを意味する。
より多くのパターンが探し出せれば、出せる程、レジリエントでない反応を予期し予防することを可能にするからレジリエントであることになる。

最後に、「クロスチェック」をする。あなたの個々の思考Bはあなたの感情,行動Cと繋がっているべきで、連動しているべきなのであるが、もしつながっていなければ、少し間を置いてBについて考え直してみる。 直ぐには気が付かなかったが、ずっとくすぶっている感情や声が小さすぎて聞き取れなかった思考についてチェックすると、上手く行けば「へえ、道理で自分はそんな風に感じていたわけだ。やっとわかった」と「わかった!体験」をするはずだ。
自分が何を感じているのか、またなぜその様に感じているのかが理解できるようになるだろう。このプロセスであなたが「思考のワナ」に陥っていないことが確かめられるはずだ。

L.例外的なABC
時折、あなたの思考が全く重要でないことがある。逆境や出来事が余りに大きく深刻であると、思考の余地もなく感情、行動に至ってしまうことがある。
恋人の突然の死、9,11のような惨劇のような逆境は、引き続きおこる感情は悲劇そのものから生じるものであり、悲劇に対する解釈から生じるものではない。(扁桃体が思考より感情を優先させる働きをするようになった現象を扁桃体ハイジャック現象という)。この事実はABCスキルが無効かというと、そうではなく、それどころかあなたの思考とレジリエンスが、大きな体験に続いてどれほど素早く,容易にコントロールを取り戻すかを決定づける。
扁桃体ハイジャックは感情を支配する扁桃体の例外的な現象であり、通常は新皮質で思考のチェックを受けて発現する。
ある状況では感情が思考を鈍らせることはある。その時は扁桃体モードから理性的なモードにシフトする必要があるが、その時は身体を静めることが有用であり、先に述べる「心を静めてフォーカシングする」スキルを用いると良い。

<まとめ>
*7つのレジリエンス・スキルは「自己発見スキル」と「自己変革スキル」に分けられる。
*人の感情・行動(C)は出来事・逆境(A)からではなく出来事に対する個々人の解釈の仕方、思い込みや思考(B)によって生じる。
*「B-Cつながり」の知識があれば、他者への共感を強め、助けになることも出来る。