クリニークデュボワの美容整心メンタル科は身体醜形障害、美容整形セカンドオピニオンなど外見・美容の悩みや生きる悩みなどにお応えする心療内科です。

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レジリエンス心理学⑦―A

レジリエンスを強化する7つの要因(またはスキル)
逆境や挫折から立ち直り、さらに前に進んで行けるかどうかはレジリエンスの強度にかかっている。レジリエンスを強める7つのスキルについて述べる。
3つの自己発見スキルと4つの「自己変革スキル」の二つのカテゴリーに分けて考える。

自己発見スキル
スキル1:自分をABC分析する
スキル2:思考のワナを避ける
スキル3:氷山を見つける

自己変革スキル
スキル4:思い込みに挑むを
スキル5:大局的にとらえる
スキル6:心を静めてフォーカシングする
スキル7:リアルタイム・レジリエンス

「自己発見スキル」
自己発見スキルはあなたの考え方や感じ方、行動の仕方、そしてそれらがどのように相互に関わっているかの案内図となってくれる。「自分をABC分析する」 「思考のワナを避ける」「氷山を見つける」、この3つのスキルをマスターすれば、あなたが自分自身と世界をどのように理解しているのか、またなぜ今のよう に出来事に反応するのか、より良い洞察を得ることが出来るだろう。物事を洞察するのは、変化を起こすための一歩位にはなるが、それだけでは変わることは出 来ない。だからこそ、ここで自己発見して、その後で自己変革スキルで「問題の本当の原因を見つけて、その問題をどこまで自分で解決できるか、またはその問 題からどれくらい回復が見込めるかを正しく自己評価する力を身に着ける。その上で問題の意味あいを正しく捉え、レジリエントではない自分の思い込みとリア ルタイムで闘う方法を学ぶことが重要になる。
7つのレジリエントスキルは、「私たちの感情や行動は出来事そのものから生じるものではなく、出来事に対する私達の解釈の仕方によって生じるものである。」という認識から成り立っている。

スキルⅠ.-自分のABC分析をする

ABC 分析は、「あなたが最もレジリエントでなくなり、何度も繰り返し起きる状況をより深く理解できるようにして行く」「あなたが逆境の最中にある時に、「自分 の思い込みに気付くスキル」であり、それを見につけることで、その様な思い込みがもたらす感情的な影響を理解することが出来るようになる。
(A)は困難な出来事、逆境のことで、つまりは私たちからある反応を引き起こす出来事のこと。失恋、失職、家族の死というようなものから、口論した、遅刻 した、という程度のものまであるが、そのような逆境はそのまま感情的、行動的結果(C)に繋がると考える。(C)は、出来ごとに対してどう感じたか、また どう行動したかということだ。
つまりA(出来事、逆境)―C(結果)で世の中は動いていると考えがちである。良いことがあればポジティブな感情を経験するし、悪い、不愉快なことがあれ ばだれでもネガティブな感情になる。一見ロジカルに見えるが真実は正しくない。実際に私達の感情や行動を引き起こすのは,私達の身に起きた出来事ではな く、それに対する「私達の考え方、解釈」がそうさせるのだ。この感じ方、行動の引き金になる出来事についての「思い込み、思考」を(B)とする。世界は (A)-(C) で動いているのではなく (A)―(B)―(C)で動いているのだ。
レシピ通りに作ってもぺしゃんこになってしまったスフレは、「確かにぺしゃんこよね。何とかグリルドチーズケーキが作れればラッキーかな」と思う人には がっかりさせられる対象だろう。ところが「この料理本はばかげてるわ。完璧に書いてあるようにやったのにグチャグチャになって。この本の著者は自分で作っ て確かめていないに違いないわ」と思う人には怒りの対象だろう。「わあ!お洒落なホットケーキ!子供達が大喜びすると思うわ。夕食の席ではみんなで大笑い 出来そう」と思う人には喜びの対象にすらなる。端的にいえば、殆どの状況に置いて、私達の思考(解釈)が、感情や行動を引き起こすのだ。

A.逆境―私達の「プッシュボタン」を刺激するものは?
私たちは殆どの場合は人生の出来事に対しては適切にかつ生産的に対応することが出来る。危機的状況や挫折に対してさえ優雅に振る舞うことすらできる。しか しある種の出来事にはそうした余裕もなくなってしまうような一触即発の逆境が存在する。ABS分析スキルの最初は、あなたのレジリエンスが試されるような 逆境を見つけることである。ある人には逆境でも、ある人にはポジティブな出来事かもしれない。誰しも自分のプッシュボタンを刺激する逆境を持っている。自 分にとって特に厄介な特定のテーマはあるか?特定の感情が弱点になっていないか?を知ることである。
例えば下の表を見て列挙されたさまざまな状況や感情に対処するのがどれくらい困難か評価してみよう。

■あなたにとっての逆境とは?

_______________________________________

1=まったく困難ではない       2=やや困難である
3=どちらかといえば困難である    4=困難である
5=大変困難である
_______________________________________

職場の同僚とのいざこざ         1   2   3   4   5
職場の上司とのいざこざ         1   2   3   4   5
家族とのいざこざ            1   2   3   4   5
友人とのいざこざ            1   2   3   4   5
ポジティブなフィードバックを受ける   1   2   3   4   5
ネガティブなフィードバックを受ける   1   2   3   4   5
成功                  1   2   3   4   5
失敗                  1   2   3   4   5
ひとりで時間を過ごす          1   2   3   4   5
自分のための時間が十分にない      1   2   3   4   5
職場で新たな責任を引き受ける      1   2   3   4   5
超多忙なスケジュールを管理する     1   2   3   4   5
複数のタスクを一挙に引き受ける     1   2   3   4   5
変化に適応する             1   2   3   4   5
付き合いに顔を出す           1   2   3   4   5
ワークライフ・バランスを図る      1   2   3   4   5
人のネガティブな感情に対処する     1   2   3   4   5
人のポジティブな感情に対処する     1   2   3   4   5
自分の感情に対処する          1   2   3   4   5
怒り                  1   2   3   4   5
悲しみ                 1   2   3   4   5
不安                  1   2   3   4   5
困惑                  1   2   3   4   5
罪悪感                 1   2   3   4   5
退屈                  1   2   3   4   5
苛立ち                 1   2   3   4   5
羞恥心                 1   2   3   4   5
幸福感や満足感を深く味わう       1   2   3   4   5

4か5は自分にとって逆境を意味します。
その他自分の逆境になる項目も足して、自分の逆境のパターンを見つけてみよう、逆境の多い領域はあるか、厄介になる特定のテーマはあるだろうか?ポジティブかネガティブか自分にとって特定の感情が弱点になっていないだろうか?
どんな逆境があなたに最大の問題をもたらすか気づき始めたら、そこに見られる共通点に注目してみよう。すると、何故、他の逆境ではなく、その逆境が酷く自分の気に障るのか、その本質が見えてくるだろう。

B.あなたの『今、その瞬間の』のティッカーテープ思考
いったん自分のA(逆境)を見つけたら、次はB(思い込み、思考)に集中してよい。
「ティッカーテープ思考」とは、逆境に直面したその瞬間に自分の頭の中を駆け巡る思い込み、思考のことで、時に意識外で起きる。それは逆境や試練、または 新たな経験の最中で、あなたの感じ方や行動の仕方を決定するものだ。ティッカーテープ思考によってあなたの感情や行動は決まった経路を一直線に辿ることに なる、つまり、逆境に反応しての感情や行動に直接的に影響する。
自分のティッカーテープ思考を知り、その流れに注意深く耳を傾けることが出来れば、そのような思考に由来する特定の感情や行動を発見する能力を開発するステップに入ることになる。
自分に対して、自分が何を言っているのか、自分の声が生じた時に耳を傾ける必要がある。

ビーパー・ワーク
ティッカーテープ思考を聞き取る訓練をする。
ランダムに設定された時間にピーという音を出すようにしておき、その時に自分が考えていることに注意を向けて、その瞬間に脳裏にあること一切を記録する。最初は単純な思考の繰り返しになるが、慣れて来ると、より多くの思考が起きていることに気が付くだろう。
自分のティッカーテープ思考が聞こえてくるまで練習をする。そのようになれば、ビーバーワークは止めて、逆境に直面するたびに自分のティッカーテープ思考を聞けるように練習する。
あなたにとっての逆境が職場でのいざこざであれば、いざこざが起きるたびに「今の自分は何を考えているか?」を自問してみよう。自分の思考にもっと耳を傾けることが出来るようになれば、残りの6つのレジリエンアンス・スキルがマスターしやすくなる。

なぜ」思考と「次は何」思考
レジリエンスを高めるためには原因を探る思考(『なぜ』思考)と、予期する時に働く思考(『次は何』思考)が重要になる。
問題が起きた時に「なぜ」と問いかけをするのは自然なことであるし、問題解決に向かうには結果について理解しようとする事は理にかなっている。それはそうすることで、状況が改善され、自分の目標に到達できる可能性が高まるからだ。
セリグマンは「なぜ」の問いに対する答えは「個人的」(「自分」vs[自分でない])「永続的」(「いつも」vs[いつもではない」)「広範的(「すべて」vs[すべてではない」)の3つの特徴で説明できるとした。
自分の「なぜ」思考には何度も同じ方法で答えようとするパターンがあるので、それを特定できれば、逆境に対処する自分の能力を阻害するような思考を容易に 変えることが出来る。つまり逆境下で、原因を、自分を責めるか、他人を責めるか、一時的ととらえるか、永続的ととらえるか、逆境が一つのことに特定されて いると捉えるか、すべてのことに波及すると捉えるかの傾向を知ることである。
自分の思考の傾向を知れば、逆境に対処する能力を阻害するような思考を容易に変えられるようになる。
ティッカーテープ思考は「なぜ」の次には「次は何」思考を呼ぶ。今の状況から推測される未来についての考えが出てくる。それは不安を生じさせるから、進化 論的に優位性があるが、それが破壊的で殆どありそうもない「次は何」思考(大惨事)になるとレジリエンスを弱めてしまう。(大惨事思考)
ティッカーテープ思考には原因にも将来にも対処しないただの評論、叙述ナレーションのようなものもあるが、レジリエンスには、過去を振り返ることと未来に備える事のバランスが求められるので、「なぜ」「次は何」のような思考になるように訓練する必要がある。

まずは、自分のティッカーテープ思考に耳を傾けて、そこに一定のパターンがあるかどうかに気付くことが大切であり、自分がどう考えるかについて、自分の理解を深めて行くのが大切である。
次は何がおきるのだろう?
ティッカーテープ思考は『なぜ』思考と同じように進化論的に優位性がある未来に向けられた「次は何」思考に向かう。その思考は危険の予知にも繋がり、必要 なものだが、私たちは、ほとんどありそうもない破壊的な「次は何」思考を経験する。(大惨事思考)そのような思考が引き起こす不安は問題解決への努力を妨 げ、レジリエンスを弱めてしまう。

あなたのパターンは何?
ティカーテープ思考が『なぜ』思考でも『次は何』思考でもなく、原因にも未来にも言及しない単なる出来事の叙述に過ぎない場合もある。レジリエンスには過 去を振り返ることと、未来に備えることのバランスが求められるから、ティカーテープ思考には逆境についての原因とその含意を自分で考えるよう訓練する必要 がある。
しかしまずは、自分のティッカーテープ思考に耳を傾けて、そこに一定のパターンがあるかどうかに気づくことがたいせつである。
自分がどう考えるかについて、自分の理解を深めることが重要なのだ。

C.結果は感情と行動である
思考が重要なのは、逆境や試練のまさにその瞬間において、感情の質や強度、行動の在り方に影響を与えるからだ。
感情や行動が大事なのは、職場や人間関係、心の健康のみならず身体の健康もが、気分や行動の要素からなりたっているからだ。
レジリエントな人は自分の感情を調整し行動をコントロールすることが出来るため、いかなる状況でも適切に反応できる。
レジリエンスの目標はいつも良い気分でいたり、決して諦めない姿勢を養うことではない。
「目標は、自分のティッカーテープ思考に対して反射的な行動をとるのではなく、むしろ感情や行動を生産的なものにして、状況の示す事実に適切に反応できるようにすることだ。」