クリニークデュボワの美容整心メンタル科は身体醜形障害、美容整形セカンドオピニオンなど外見・美容の悩みや生きる悩みなどにお応えする心療内科です。

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_美容整心メンタル研究室

レジリエンス心理学⑤―RQテストの評価

RQテストの結果がでたら、各能力について、その評価をしてみよう。

  • ■ 感情調整力

                                       

 

以下の項目に関するあなたの得点は?   以下の項目に関するあなたの得点は?

項目13                 項目2              

項目25                 項目7              

項目26                 項目23              

項目56                 項目31              

ポジティブ合計              ネガティブ合計           

                                       

 

ポジティブ合計-ネガティブ合計=             

これがあなたの感情調整力の得点です。

(平均以上:14点以上 / 平均:6~13点 / 平均以下:6点未満)

 

  • ■ 感情のコントロールとレジリエンス

感情調整力とは、プレッシャーのもとで落ち着きを保つ能力だ。レジリエント(逆境に耐え、再起することができる)な人は、感情や注意力や行動をコントロールできるようなスキルをうまく活用している。自己調整は、親密な関係性を築いたり、仕事で成功を収めたり、身体の健康を維持するうえで重要だ。自分の感情を調整するのが苦手な人は、家庭で自分のパートナーを感情的に疲弊させたり、職場でうまく協業できなかったりする。感情調整力が欠如している人は、友人関係を構築し、維持するのに苦労すると先行研究は示している。

なぜそうなるのかについては多くの理由があるだろうが、最も基本的なネガティブ要因としては、相手をうんざりさせることだろう。誰しも、怒りっぽい人や不機嫌な人、心配性な人とは一緒にいたくない。感情は、他人を疲弊させるだけではなく、伝染する。怒りっぽくて不機嫌で、心配性な人と付き合えば付き合うほど、あなたも同じように怒りっぽく、不機嫌で、心配性になっていく。

もちろん、すべての感情を修復し、コントロールする必要があるわけではない。私たちは、すべての怒り、悲しみ、不安、罪悪感を最小化し、管理し、抑えるべきであるとは考えていない。むしろ、ネガティブなものであれ、感情の表出は健康的で建設的なものだと考える。実際に、適切な感情表出はレジリエントであることの一部だ。しかし、感情を完全に隠し続けておくと人生の輝きが鈍るのと同様に、感情にとらわれることはあなたのレジリエンスの妨げになり、周囲の人々のレジリエンスをも弱めてしまう。

人より多大な不安や悲しみ、怒りを経験しやすく、一度取り乱したらコントロールを取り戻すのに苦労する人もいる。そのような人は自分の怒りや悲しみ、不安に縛られやすく、逆境に対処したり、問題解決能力が弱い。彼らは、自身の感情にとらわれているとき、他者に働きかけたり新しい経験に挑むことはほとんど不可能だと思っている。

ある通信会社で管理職にあるベスについて考えてみよう。ベスは子どもの頃、情緒不安定で、一度その感情に心を占められたら気分を変えられなかった。彼女の不安定な気性は、成長して大人になっても和らぐことはなかった。ベスが率直に表現したように、ジェットコースターのような感情の起伏の激しさは、彼女がよき母たらんとするのを損ねる要因となっていた。

「私には10代の娘がふたりいますが、彼女たちが自分たちの問題について私と話し合うのを嫌がっているのを知っています。私が自分の感情の反応を抑えられず、そのせいで彼女たちが感じていることを解決する代わりに自分の感情に溺れてしまうことを彼女たちが心配しているのも知っています。私は落ち着きを保って彼女たちの話を聞く姿勢を見せようとしているのですが、実際には本当に苦しんでいます。私の情緒不安定さが、よい母となる妨げとなっているのです。」

ベスの話しに共感する点があるならば、あなたが伸ばす必要がある能力はおそらく感情調整力だろう。だが、いかにして自分の感情を調整すればよいのだろうか?怒っているときには心を落ち着け、悲しいときには気分を高揚させ、不安な気持ちを静めるための有効なテクニックは多種多様で、それらの多くについては第9章で扱っていく。私たちは、感情を調整する多くのテクニックのうち、逆境に対する考え方を変える効果のある、最も有効な戦略を見出した。それは、問題が発生したときのあなたの実際の思考であり、感情の源泉である。

あなたが感情の調整に取り組む必要があると思うのであれば、スキル1とスキル6がとりわけ有効であることに気づくだろう。「自分をABC分析する」ことで非生産的な感情を生み出す思い込みを見つけ、「心を静めてフォーカシングする」ことでリラクゼーション反応を呼び覚ます手段が得られ、感情を調整できるだろう。

 

  • ■ 衝動調整力

                                       

 

以下の項目に関するあなたの得点は?   以下の項目に関するあなたの得点は?

項目4                 項目11              

項目15                 項目36              

項目42                 項目38              

項目47                 項目55              

ポジティブ合計              ネガティブ合計           

                                       

 

ポジティブ合計-ネガティブ合計=             

これがあなたの衝動調整力の得点です。

(平均以上:1点以上 / 平均:-6~0点 / 平均以下:-6点未満)

 

  • ■ 衝動のコントロールとレジリエンス

『EQ こころの知能指数』の著者であるダニエル・ゴールマンは、1970年代に興味深い研究を成し遂げていた。7歳前後の子どもを1人ずつ、別の研究者の待つ小部屋に入れる。研究者はそれぞれの子どもに、自分は数分席を外さなければならないが、その前に子どもにマシュマロをあげたいと説明する。子どもは今マシュマロを食べてもよい。だが、子どもが食べるのを我慢し、自分が戻ってくるまで待っていたら、もう1つマシュマロをあげると説明する。

10年後、ゴールマンはこの実験に参加した子どもを追跡調査した。子どもたちは高校3年生になっていた。当時衝動をコントロールできた子、つまり2つのマシュマロを得るために1つのマシュマロを食べる満足感を先延ばしにすることのできた子は、社会的にも、また学業面でも顕著な優秀さを見せていた。

衝動調整力の欠如は、35歳の大学教授であるルイスをトラブルに巻き込んだ。彼は同僚の多くに好かれており、同僚は彼を面白くて陽気な人だと感じていた。だが、彼は頻繁にジョークのネタにもされていた。ある日、彼は教職員の会議中、頭の中で思いついたことを一部始終うっかり口走ってしまい、不適切な発言をしてしまった。彼は素早く謝罪したが、同じくらい素早く再び過ちを犯した。社交的に飲みすぎたり食べすぎたりして、同僚には彼と学生たちとの関係を心配する者もいた。ルイスは、イド(無意識の本能的衝動)が肥大化しており、超自我が足りなかった。つまり、彼の本能の快楽主義的な願望が理性を何度も何度も上回ってしまうのだ。新しい計画に興奮して全速力でそれに飛び込むが、急に興味を失って完全にその計画を中止してしまうというのが彼の典型的なパターンだった。

ルイスはこのように述べている。

「私は12歳の少年のようなのです。私生活でも衝動的だし、仕事上でも衝動的なのです。私は自分の感情をコントロールするのに苦労しているし、自分にノーと言うのにはもっと苦労しています。私は何かに興奮してそれを全速力で追いかけますが、興味を持続させることができないのです。

直感的に、感情調整と衝動調整が密接に関係していることはわかる。私たちの分析もこれを裏付けた。RQテストで衝動調整力が高い人は、感情調整力も高い傾向にある。私たちは、これらの領域には関係性があると考えている。それらは人間の思考体系に類似したものに触れるからだ。

すなわち、自分の衝動をコントロールする力が低ければ、状況に対する自分の最初の衝動的な考えを正しいものとして受け入れ、それに応じて行動するだろう。これは多くの場合に、レジリエンスを阻害するようなネガティブな結果を生み出す。感情の調整と同様に、衝動を調整する最初のカギとなるスキルは「自分をABC分析する」なのだが、それについては次章で紹介しよう。

ABCは、自分の思考が、感情や行動をどのように決定するのかを突き止める。ABCを習得すれば、「思考のワナを避ける」スキルに進むことができる。それにより、自分が普段受け入れている衝動的な考えを見つけることに加え、それが自分のレジリエンスをいかに狂わせているかがわかるようになる。そして「思い込みに挑む」スキルに到達したら、衝動調整力を高めてよりよく感情を調整でき、さらに正確な思考を生み出せる。結果としてよりレジリエントな行動が可能となる。

 

  • ■ 楽観力

                                       

 

以下の項目に関するあなたの得点は?   以下の項目に関するあなたの得点は?

項目18                 項目3              

項目27                 項目33              

項目32                 項目39              

項目53                 項目43              

ポジティブ合計              ネガティブ合計           

                                       

 

ポジティブ合計-ネガティブ合計=             

これがあなたの楽観力の得点です。

(平均以上:7点以上 / 平均:-2~6点 / 平均以下:-2点未満)

 

  • ■ 楽観性とレジリエンス

レジリエントな人は楽観的だ。彼らはものごとをよい方向へ変えられると確信している。彼らは未来に希望を持ち、自生の方向をコントロールできると信じている。悲観論者と比べて、楽観主義者は身体的に健康で、抑うつにも脅かされにくく、学校でもうまくやり、仕事でも生産的で、スポーツでも勝利しやすい。これらは、適切な対照を置いた何百もの比較実験が証明した事実である。

楽観力とは、言うまでもなく、未来を比較的明るいものとしてとらえることを意味する。楽観性は、将来的にどうしても起きるであろう逆境に対処する能力が自分にはあると信じているということでもある。そして、言うまでもなく、楽観力は自己効力感を反映している。自己効力感とは、自分の問題を解決したり、自分の世界を管理する能力に対する自信であり、レジリエンスの重要な能力の1つである。

楽観力と自己効力感は、多くの場合に連携しているということが私たちの研究により判明している。真の自己効力感と結びついているとすれば、楽観性はその恩恵だといえる。楽観性は、解決策を模索したり、自分の状況を改善するために懸命に努力し続けたりする意欲を駆り立てるからだ。抑制のきかない楽観を抱いている人にはそのご利益がまったくないことは特筆しておくべきだろう。実際、非現実的な楽観は、彼らが構える必要のある本当の脅威から目をそらさせてしまう。

楽観主義のポリアンナは、深刻な病気と診断されても、「ああ、たいしたことじゃないわ。体調はそれほど悪くない。私は元気よ。」と自分に言い聞かせてしまう。これでは回復の可能性を高めるために取るべき行動を起こせない。レジリエンスと成功のカギは、自己効力感と連結した現実的な楽観力を持つことだ。

これから見ていくように、自己効力感とは問題解決に成功した結果、高まるものだが、「思い込みに挑む」スキルと、「大局的にとらえる」スキルを活用することで、同じく飛躍的に高めることができる。この2つのスキルは、自分のコントロール下にある自身の内的要因に対して制御感を得られるようにする。

 

  • ■ 原因分析力

                                       

 

以下の項目に関するあなたの得点は?   以下の項目に関するあなたの得点は?

項目12                 項目1              

項目19                 項目41              

項目21                 項目44              

項目48                 項目52              

ポジティブ合計              ネガティブ合計           

                                       

 

ポジティブ合計-ネガティブ合計=             

これがあなたの原因分析力の得点です。

(平均以上:9点以上 / 平均:0~8点 / 平均以下:0点未満)

 

  • ■ 原因分析とレジリエンス

原因分析力とは、人が自分の問題の原因を正確に特定する能力である。問題の原因を正確に見極めることができなければ、同じ失敗を何度となく繰り返すことになる。

私たちの師であるマーティン・セリグマンと彼の同僚は、「説明スタイル」、つまり思考のスタイルが原因分析に際して特に重要であることを発見した。これは、自分に起きたよいことや悪いことを説明する習慣的な方法だ。すべての人の説明スタイルは3つの特質によってコード化される。個人的(「自分」vs.「自分ではない」)、永続的(「いつも」vs.「いつもではない」)、広汎的(「すべて」vs.「すべてではない」)の3つである。

「自分・いつも・すべて」型の人は、無意識的かつ反射的に自分がその問題の原因で(自分が)、それが変化せず続き(いつも)、それが自分の人生のすべての側面を蝕む(すべて)と思い込む。以下が、「自分・いつも・すべて」型の2つの思考である。

1.「息子の学校の成績が悪いのは、彼が宿題をやっているか確認するのに十分な時間を取らなかった私のせいだ。私は悪い母親だ。」

2.「私が昇進できなかったのは、私があまりに内気で人との接し方が下手だったからだ。」

 

問題が発生したとき、「自分ではない・いつもではない・すべてではない」型の人は、問題は他者あるいは環境が引き起こし(自分ではない)、一時的で変わりやすく(いつもではない)、自分の人生にはそれほど影響しない(すべてではない)と考えている。そのような人は、同じ状況でも「自分・いつも・すべて」型の人とはまったく異なる解釈をする。

1.「息子の学校の成績が悪いのは、彼が最近勉強していなかったからだ。」

2.「私が昇進できなかったのは、私がどれだけ貢献しているか彼らが理解していないからだ。」

 

説明スタイルがレジリエンスにおいていかに重要な役割を果たすかは、次章で再び取り上げる。第7章の「思い込みに挑む」では、あなたに自分の説明スタイルを分析する機会を与え、その説明スタイルが表す決まりきった思考スタイルの型から抜け出すプロセスを導いていこう。

私たちは、説明スタイルがいかにパフォーマンスに深い影響を及ぼすかを目の当たりにしてきた。キャシーとレンは中年の夫婦で、私たちが共同授業をしていた異常心理学の夜間クラスの生徒として出会った。私たちは、レンとキャシーの洞察に満ちた質問と、私たちが提示した理論に対して批判的に挑んでくるときの手ごわいながらも敬意に満ちた振る舞いに感銘を受けた。私たちは、最初の試験の前に、彼らはふたりともクラスで最高点のグループに入るだろうと予想した。だが、驚くべきことに、キャシーの成績はB(5段階評価の4)で、レンはC(5段階評価の3)だった。彼らが試験結果について話しにきたとき、それぞれ異なる課題を持っていることが明らかとなった。

キャシーの方がよい成績だったにもかかわらず、彼女は明らかにレンよりも狼狽していた。これは彼らの説明によってうなずけた。キャシーがBを取ったのは、彼女が言うにはこういうことらしい。「私は心理学を学ぶほど賢くないからです。」。レンは対照的にこう言った。「私がCをとったのは、ベストな試験の準備方法がなかなか見つからなかったからです。」。キャシーの「自分・いつも・すべて」型は彼女を落胆させたのに対し、レンのスタイルは彼を解法の模索へと導いたのだ。

説明スタイルが原因分析にいかに影響するかは容易に理解できる。「いつも・すべて」型で問題の原因にばかり思いをめぐらす人は、状況を変える方法を見つけられない。彼らは無力になり、絶望する。「いつもではない・すべてではない」型の原因に意識を向ける人は、行動的で、実行可能な解決策を生み出す能力がある。

だが、最もレジリエントな人のほとんどは、柔軟な認知力を持ち、特定の説明スタイルにとらわれることなく、直面する逆境についてその主な原因をすべて特定することができる。彼らは現実的なため、永続的で広汎性のある要因を無視しない。彼らは、自尊心を守ったり、罪悪感から逃れたりするために、自分の失敗の責任を反射的に他者に負わせたりもしない。また、自分にとってコントロール範囲外のできごとや状況について思いをめぐらすことで、貴重なレジリエンスの蓄えをムダにしたりもしない。自分の問題解決能力を自分がコントロールできる要因に向ける。

そして、徐々に起きる変化を通して打ち勝ち、乗り切り、立ち直り、働きかけることを始める。衝動調整力と楽観力を向上させる必要を感じている人と同様に、あなたが原因分析力を向上させる必要を感じているなら、「思い込みに挑む」スキルはあなたを最も助けるスキルとなるだろう。

 

 

 

 

 

  • ■ 共感力

                                       

 

以下の項目に関するあなたの得点は?   以下の項目に関するあなたの得点は?

項目10                 項目24              

項目34                 項目30              

項目37                 項目50              

項目46                 項目54              

ポジティブ合計              ネガティブ合計           

                                       

 

ポジティブ合計-ネガティブ合計=             

これがあなたの共感力の得点です。

(平均以上:13点以上 / 平均:3~12点 / 平均以下:3点未満)

 

  • ■ 共感性とレジリエンス

共感(エンパシー)に関する得点は、他者の心理的・感情的状態を示す手がかりをどれだけうまく読み取ることができるかを表している。私たちのなかには、心理学者が他者の顔の表情や声のトーン、ボディランゲージなど、非言語的情報と呼んでいるものを解釈し、人が何を考えて何を感じているかを推測し、またその人が何をしようとしているか予測することができない人もいる。

非言語的な手がかりが読みとれないと、ビジネスでは損をする。序列による出世街道を歩むには、たいてい人脈づくりのスキルが必要である。また、マネジャーの仕事は、いかにベストな方法で部下のやる気を起こさせるか、にある。さもなければ、理解され、評価されていると相手に感じさせる必要のある人間関係においても損をすることになる。共感力の低い人は、善意だったとしても、レジリエントではない。決まりきった型通りの行動を繰り返し、他者の感情や意欲を破壊する「ブルドーザー」として有名になってしまう。とはいえ、共感力の得点は上げることができる。

第2部では、この世界で自分の生き方を模索する意欲を駆り立てているのは何かを理解するために、「自分をABC分析する」スキルと、「氷山を見つける」スキルを活用する方法を学ぼう。これらのスキルは、他者とうまくやっていくことにも適用できる。

あなたの部下が大切なプロジェクトをぐずぐずと先延ばしにしてしまうのはなぜなのか。また、あなたの10代の息子が内向的で陰気になってしまったのはなぜなのかについてよりよく理解すること、そしてあなたが愛する人とよりよい関係性を築くことにも適用できる。

 

  • ■ 自己効力感

                                       

 

以下の項目に関するあなたの得点は?   以下の項目に関するあなたの得点は?

項目5                 項目9              

項目28                 項目17              

項目29                 項目20              

項目49                 項目22              

ポジティブ合計              ネガティブ合計           

                                       

 

ポジティブ合計-ネガティブ合計=             

これがあなたの自己効力感の得点です。

(平均以上:11点以上 / 平均:6~10点 / 平均以下:6点未満)

 

  • ■ 自己効力感とレジリエンス

自己効力感とは、世界において自分は有能であるという感覚のことだ。それは、これから起きるであろう問題を解決できるという信念と、自分を成功に導く能力への確信を表している。

自己効力感に関しては既に十分議論をしてきたので、それが実際の状況でどのように用いられているかを示そう。仕事において、問題解決能力に自信を持っている人がリーダーとして頭角を現す一方で、自己効力感が持てない人は、自分が大衆に中に埋もれてしまっているかのように感じる。彼らは何気なく自己不信である様を言いふらし、それを同僚たちが聞いてやる。そうやって他者の助言を求めるようになる。

リンとグレッグは、フォーチュン500社に名を連ねる通信会社の同じ部署で働いている。彼らはともに新入社員であり、似たような教育や研修トレーニングを受けている。彼らがその配置に就いて6カ月後、ふたりは異なるキャリアを歩んでいた。グレッグは小さな成功を重ねていたが、いずれの成功も彼がその仕事に見合うだけの能力があることを確信させるものではなかった。彼はいまだに、自分に求められているプロジェクトを仕上げることができるという確信は抱けなかった。一方のリンは、小さな成功でさらに自信をつけていた。小さな成功は、彼女が仕事の環境をコントロールするために使える真の才能とスキルを持っているという認識を強めた。

この違いは、リンとグレッグが普段の業務にどのように対応しているかにある。自分に問題解決能力があるというリンの自信と信念は、仕事上の避けられない厄介ごとを乗り越える力を与える。

対照的にグレッグは、似たような試練に受け身で対応する。彼は自分に解決策を生み出す能力がなく、他者が提示してくれる解決策を実行する能力も備わっていないと感じている。

リンのレジリエンスは、結果として上司の目にとまった。彼女は、より責任のある仕事を任され、上級の研修セミナーに参加する機会を与えられたのだ。そのセミナーはそれほど高額ではなかったが、出世街道に乗った人向けの特別な研修だった。リンのレジリエンスが彼女のキャリアを前向きな軌道に乗せる一方で、グレッグの自己不信と無能感は、彼が遭遇するかもしれない困難の難易度を上げた。

第2部では、問題の原因に対する思い込みを防ぐための「思考のワナを避ける」スキルと、問題解決能力の精度を高めて「思い込みに挑む」スキルによって、あなたの自信を構築し、自己評価を向上させる方法を教える。あなたがこれらのスキルを活用すれば、仕事や人間関係がうまくいくようになり、人生が向上することで新たに芽生える自信や自己効力感を得られるようになるだろう。

 

  • ■ リーチアウト力

                                       

 

以下の項目に関するあなたの得点は?   以下の項目に関するあなたの得点は?

項目6                 項目16              

項目8                 項目35              

項目14                 項目45              

項目40                 項目51              

ポジティブ合計              ネガティブ合計           

                                       

 

ポジティブ合計-ネガティブ合計=             

これがあなたのリーチアウト力の得点です。

(平均以上:10点以上 / 平均:4~9点 / 平均以下:4点未満)

 

  • ■ 働きかけとレジリエンス

ここまでで、逆境に直面してもレジリエントでいられる6つの能力について説明してきた。だが、これまでも見てきたように、レジリエンスは単に困難な状況において打ち勝ち、乗り切り、立ち直るだめだけの機能ではない。レジリエンスはまた、人生のポジティブな側面をも高めることができるのだ。レジリエンスとは、リーチアウト力(働きかける力)の源泉なのだが、驚くほど多くの人がそうできないでいる。

なぜ働きかけることを恐れる人がいるのだろうか?

幼い頃に、恥ずかしい思いをすることは何としてでも避けるように学んだ人もいるだろう。たとえそれが平凡な人生を意味するとしても、公衆の面前で失敗をさらし嘲笑されるくらいなら自分の殻に閉じこもっていた方がよいと考える人もいる。

あるいは、第8章で述べるように、それが、未来に生じるであろう逆境を大げさにとらえる傾向を反映している場合もある。そして、第5章で述べるように、人は多くの場合、関与することの罪を過大評価し、関与しないことの罪を軽視する。つまり、行動しなかったことよりも、行動して失敗したことの方が大きな損害だという誤った見方をするのだ。

働きかけることは、自分の能力の真の限界が暴露されてしまうという恐怖にさらされることだ。セルフ・ハンディキャッピングと呼ばれるこの思考スタイルを持つ人は、潜在的に自分の能力の限界を定めてしまう。

「何もやらないで成功しなかったら、自分が本気でやらなかったから失敗したのだといつも自分に言い聞かせることができる。自分に能力がないかもしれないという事実と向き合うよりもその方がよい。」

このような人は、試みが失敗したら壊滅的な事態を招くという危険性を高く考えすぎだ。あなたがリーチアウト力を高めたいなら、私たちが教えるスキルがきっと役に立つだろう。人との親密な関係を築いたり、新たな試みをすることに尻込みさせている深い思い込みを邪魔するものを取り除くため、「氷山を見つける」スキルの活用の仕方を示そう。

また、あなたが前提としていることをチェックするため、「思い込みに挑む」スキルの使い方を示し、働きかけることへの不安を抑えるために、ものごとを「大局的にとらえる」スキルを教えよう。そして、レジリエントではない思考が生じても、それに抵抗できるように、「リアルタイム・レジリエンス」スキルを紹介しよう。

 

 

 

まとめ

*レジリエンスは56項目のレジリエス指数(RQ)テストで測定できる。

*RQテストでは「感情調整力」「衝動調整力」「楽観力」「原因分析力」「共感力」「自己効力感」「リーチアウト力」というレジリエンスの本質となる7つの能力が自己診断できる。

*.感情調整力

感情調整力とは、プレッシャーのもとで落ち着きを保つ能力だ。

 

*.衝動調整力

衝動をコントロールする力、感情調整に密接につながる。

ABC分析することで調整できる。

 

*共感力(人の気持ちを読み取る力)

他者の心理的・感情的状態を示す手がかりをどれだけうまく読み取れるかを表している。

人の気持ちを読み取れない(共感力が低い)と人心掌握が出来すレジリエントではない。決まり切った型通りの行動をくりかえし、他者の感情や意欲を破壊する。

 

*楽観力

未来を比較的明るいものとして捉えること。

レジリエントな人は楽観的で、物事は良い方向に変えられると確信している。未来の希望を持ち人生の方向をコントロールできると信じている。身体的にも健康で抑うつにもなりにくい。楽観力は自己効力感にも反映している。但し非現実的な楽観は、構える必要のある本当の脅威から目をそらさせてしまう。

 

*原因分析力

人が自分の問題の原因を正確に特定する能力である。

説明スタイルつまり思考のスタイルが原因分析に際して重要である。説明スタイルは、3つの特質でコード化できる。

個人的(自分vs自分ではない)永続的(いつもvsいつもではない)、広範的(すべてvs すべてではない)

 

*自己効力感(有能感)

自己効力感は、世界において自分は有能であるという感覚をいう。これから起きるであろう問題を解決できるという信念と、自分を成功に導く能力への確信を表している

 

*リーチアウト力

ここまでは逆境に対してレジリエントでいられる6つの能力について説明してきたが、レジリエンスは単に逆境に対して打ち勝ち、乗り切り、立ち直るためだけの機能ではない。人生のポジティブな側面を高めるようにリーチアウトする力も持っている。

なぜ人は働きかけることを恐れるのか?

人は関与することの罪を過大評価し、関与しないことの罪を軽視する行動しなかったことより、行動して失敗したことの方が大きな損害fと思うのである。

働きかけると子とは、自分の能力の限界が暴露されてしまうという恐怖にさらされることで、これをセルフハンディキャップというが、この思考スタイルを持つ人は潜在的に自分の能力の限界を定めてしまう。